|
記事内容 |
|
|
古布団の中綿を糸につむぐ活動を続けている山口市の関ヨシミさん(71)が、そのノウハウを盛り込んだ絵本
「こっちゃんといとぐるま」を自費出版した。
粗大ごみとして処分される布団は東京23区だけで年50万枚以上。
「そのごみが、どんなすばらしい糸になるか、糸車を回して実感してほしい」と願う。
関さんが糸つむぎを始めたのは、約20年前。
趣味で購読していた染色専門誌に、糸つむぎ講習会の案内を見つけた。
参加したものの、自分でやるとなると、綿をどうやって手に入れたらいいのか見当も付かない。
あきらめかけた時、押し入れにしまい込んでいた嫁入り道具の綿布団を思い出した。
50年以上前に母親が作った布団で、重くて大きい。
普段は使わなかったが捨てられずにいた。
「綿ならあの中にいっぱいある」とひらめいた。
日本製の糸車を使いこなすには熟練が必要。
このため、ニュージーランド製の羊毛用糸車を約5万円で購入した。
「ふきん用の布を織る糸なら、初心者でも紡げます」と関さん。
布団1枚に入っている綿は4〜6キロ。
シャツ約20枚分の糸が取れるという。
関さんは、糸つむぎを始めたころに近所の焼却炉の前で見た、山のように積まれた古布団を今も忘れられない。
「糸車を回すことは、地球温暖化防止やごみ減量、ものを大切にすることを考えるきっかけにもなる」
絵本のイラストは長女の己珠恵さん(36)が担当。
背景にはヨシミさんが織った布を配した、優しい雰囲気の一冊に仕上がった。 |
|
|
|